
TVアニメ「機動戦士ガンダム」感想。
かなり個人的な感想・ネタバレ注意
読書感想文のノリで読んでください。
「機動戦士ガンダム」を見たきっかけが個人的に作品に触れた理由の中でも特殊だったので、経緯も触れておこうと思う。
2025年、明はとある病院のベッドにいた。
ブルースカイなどで当時を知る方もいるだろうが、この年の1月~9月まで、急性骨髄性白血病なるものに明は苦しめられていたのである。
かかった当初は自分の病気の重大さに全く気付いておらず、治る病気ならええねん! ……と内心軽く思っていた。しかしこれが「世界の中心で愛を叫ぶ」だとかあの手の作品でヒロインが死にまくった病気だとわかったとき、それこそあの頃は実感がわかなかったが、今となっては「恐ろしい病気にかかったなあ……」くらいには思うようになった。おそらく今も白血病になったという実感はあまり強く湧いていない。だが、年月が過ぎれば過ぎるほど、この頃が本当に一番大変だったと痛感する。
まあこの辺の闘病話はそのうち別所で書くとして(今は退院してある程度元気ですのでご心配なく! 一応寛解、であってまだ完全ではないのだけど……)。
病気で入院していると、同部屋の方と自然に話すようになる。
このとき、入院先でもオタク全開で過ごしていた私に声をかけてくれた方がいた。
以下、その方を「艦長」と呼ぶ。理由はブライトさんが推しのファースト至上主義強火オタク様だからである。
いろいろと省くが、私は彼女に古川登志夫の大ファンであることに気づかれ、「古川登志夫さんが好きならガンダムを見るのだ!!」と強く後押ししてもらったのである。当時は入院先で配信のジークアクスを毎週楽しみにしており(私はエヴァ及びカラーの重度のオタクである)、ジークアクスの内容を明確に理解したいという思いも初代に触れたい気持ちを加速させてくれた。
そして、闘病中でベッドの上から基本的に動かない私にとって、「何かを見る」というのはとても都合が良かったのだ。
実は、ファーストを見たのは初めてではなかった。
過去、学生時代にガルマが玉砕してイセリナが倒れるあたりまでを見ていた。
が、当時の私にはまだ理解しきれる内容ではなかったのだ。しかしそれが、「難しい話である」という感覚を私の中に勝手に作ってしまっていて、ハードルがさらに上がってしまっていた。見よう見ようと思っていたが、自分には合わないのだとばかり思っていた。
このことも考えると、視聴を促してくれた艦長とジークアクスの存在にはありがたすぎて頭が上がらない。
そんなこんなで改めて見始めたファーストであるが……。
結果から言うと号泣した。
えらい泣いた。
艦長の前で泣きまくって艦長まで一緒に泣いてくれるくらい泣いた。
アムロ……(思い出し泣き)。
今になって見るとそんなに難しい話でもない。たまたま乗れてしまった最新兵器とそのパイロット、その兵器が生み出された戦争という状況、それぞれの思惑、ニュータイプという存在、などなど。
学生時代の私は学生時代なりに大変な目に合っていたので、このあたりの話も深く浸る余裕がなかったのだな、なんてことを強く思ったりした。
あとこれはエヴァオタク的な考えなのだが、なるほど監督はガンダムが大好きってそういうことか……というのをアムロとシンジを見比べてとても感じた。かなり主人公として立場も性格も似ているように思う。エヴァオタクはガンダムオタクとは相容れないなんて話をよく聞くが、私はアムロとシンジに関してはむしろすごく似たようなものを感じた。シンジ君が好きな人はアムロも好きなんじゃないだろうか。
それもあるというわけでもなく、私はアムロのことがすごく好きだ。15歳の少年らしい性格で、あの性格だからこそ置かれた状況の残酷さが浮き彫りになっているように思う。だからこそ、作中で少しずつ成長し大人びていくアムロのことも応援したくなる。後半になって出てくる彼の父親の描写やララァとの関わりは、そんな気持ちもあって余計に心が痛かったりしていた。
艦長の推しであるブライトさんも本当によく頑張れるなと思う。艦長からブライトさんは19歳だと聞いていたので、内心ブライトさんを「大学一年生なんだ…」と思っていた。自分が大学一年生だった頃のことを思うとブライトさんの立場はなんとも言えない。アムロを叩きたいだろうし、リュウさんに頼りたいだろうし、そのリュウさんは……となるし、そりゃ熱も出す。
個人的にブライトさんのハイライトはリュウさんの回とミライさんに対して「待っているよ」と言った回だと思っている。リュウさんの件を思えば、ブライトさんは他人に対して待っていることなんてつらいに決まっていると思うのだ。明日の生の約束もされていないことが当たり前の状況で、ミライさんに向けて「待っている」と言えるのは、ブライトさんの成熟さみたいなものを痛感できてグッときた。リュウさんがいなくなったとき、彼は「答えてはくれんのだな」と言っていた。大切な人に何か答えてほしいのは誰だってそうなのに、答えを「待つ」選択肢がこの状況下で彼の中ですぐに現れたのが、ミライさんのことをどれだけ思っているかの現れのような気がしていた。
ホワイトベースの真ん中で実際は艦長でもないのに艦長同然だった彼の勇姿は、本当にカッコよかった。まさに艦長だ。いや、実際艦長になってるんだけども……。
どのキャラも魅力的で本当に大好きだが、
問題は私が古川登志夫さんのオタクであることだ。
カイ・シデン!!!!!!(大声)
取り乱してすまない。すまない。え? だってさあ、なにあの男。ちょっと無理だよ。かっこいいよ。何が軟弱者だよ。あなたが軟弱者じゃなかったらいっそ困るまであるよ。あなたが軟弱者であることがあなたの良さなんだよ。あなた自身も言ってたでしょ、「ホント、軟弱者かもね……」って。あなたそこ本当に名シーンだよ。あなたが軟弱者だったからあなたはあそこでホワイトベースに戻れたのよ。戻れたんだけど、戻れたんだけどよォ……ッ!! ミハルがよォ……ッ!!
カイとミハルのエピソードは、私にはとても響くものだった。
なにがどう、と言われるとすごく説明が難しい。けれど、カイのひねくれながらもどこか素直な性格と、ミハルの置かれていた状況からくる悲劇性、そこからつながるあの結末は本当に……。なんとかならなかったのか……。
よく思うのは、結局ミハルとの出来事はカイしか真実のところを知らないままなんだな……、ということだ。
続編などに触れてないのでそのあたりはわからないが、ミハルの事情や、そもそもミハルがホワイトベースに潜入したこともアムロ以外は知らないわけで。アムロもミハルがどういう事情の人かはおそらく知らなかったわけだし、彼女の家族のことなんかは本当にカイしか知らないだろう。カイがホワイトベースから降りて戻るまでも長い時間ではなかったから、カイさんらしいちょっとした家出みたいにしか思ってない乗組員もいるのだろう。そう思うと、カイの背負ったものの大きさは、計り知れないように思う。誰かにミハルのことを話したくなるようなこともきっとあるだろうに、あのときの「なんで死んじまったんだ」という叫びにそのすべてを乗せて以降は墓場まで持っていくと決めたのかと思うと……。カイ、本当に、男前すぎる。
以降のカイの性格の変化も、それだけのものを背負ったものを感じる。ひねくれた態度こそ大きくは変わっていないが、前はこころからの冷やかしでひねくれていたところが周りをなだめる冗談としてのひねくれた「フリ」に変わったというか。内心で自分の思っていることはまっすぐ伝えるようになったし、印象としては「頼れるお兄ちゃん」という雰囲気になったように思う。そこがすごく、なんというか語彙がない表現だが、「好き」だ。もともとひねくれた男が好きなのだが、彼のような頼りがいのある面を見せられると、弱い。
彼はのちのシリーズにも出番があるのを知っているし、一貫して担当が古川さんであることも存じ上げているので、ほかの彼も見れると思うと今からかなりワクワクである。
長々書いていてだいぶ疲れてしまったしすごい長くなってしまった。
感想と言っておいてキャラクターの話ばかりしていて恐縮なんですけど、私は結構登場人物が何をどう感じて生きていくか、ということに重きを置きがちなので、これはそういうことなんだと思ってくれたら。
個人的には「当たらなければどうということはない!」とか「坊やだからさ」とか「弾幕薄いぞ!」とか「悲しいけどこれ戦争なのよね」みたいな「聞いたことある!!」というセリフたちの本家を知れたことがすごく嬉しかったですね。嬉しかったんだけど、使われているシーンがことごとく笑えないシーンだったりして、いわゆる「こころがふたつある~」な状態になってました。
それにしても「当たらなければどうということはない!」ってセリフなんかすごい好きですね。私もゲームとかで初期装備で攻撃かわしまくりながら「当たらなければどうということはない!」って言いたい。口に出したい日本語過ぎる。
ちなみに、ファーストを見たらみんなシャアを好きになる理由がすごくわかった気がします。説明のしようのない魅力みたいなものが彼からはずーっと出ている。シャア、元からかっこよく見えるように描かれているというか。制作陣もシャアをカッコよく見せたいんだろうなって感じがしたというか。生い立ちや上品さのわりにめちゃくちゃ人間臭いんですよね。あの生い立ちからのあの人間臭さは惚れちゃうって。ホワイトベースのこと「木馬」って言ったりするセンスからにじみ出るお坊ちゃま感もすごく好きです。セイラさんとのやりとりもなあ……(涙)。
機体みたいなものはまだ覚えきれてないですけど、シャアの機体は本当になんの説明もなくとにかく赤いんですね。赤い、赤すぎる。わかりやすすぎる。そりゃ赤い彗星ですわ。
個人的な話なんですけど、私、女の子の中でフラウのことがすごく好きで。アムロのことをホワイトベースにいる前から知っていて、そのあともずーっとアムロのそばにいてくれて。アムロはマチルダさんなんかに目が行ったりしてたけど、私は内心でずっと「フラウが心配してくれてるのにアムロったら……!」なんて思っていて、もちろんフラウとアムロに恋愛関係が~とかいうつもりではなくて、ただフラウの優しさにもうちょいアムロ気づいてくれ……なんてよく思っていて。なので最終話で「僕の大好きなフラウ・ボゥ」とアムロが発したときは、ああ、アムロもずっとフラウの優しさに気づいていたんだなって、すごく暖かな気持ちになりました。
そしてそのあと、アムロが「帰る場所がある」「こんなに嬉しいことはない」とみんなのもとへ帰っていくのが本当に、本当に涙なしには見れませんでした。
ガンダムに乗れてしまったばっかりに、ニュータイプだったばっかりに、過酷な状況に置かれてしまった彼でしたが、そんな中でも帰るべき場所に帰れることの幸福を見つけられたことは本当に良かったと思います。
続編があることからまだまだアムロたちには過酷な現実が待っているのでしょうが、どうか少しでも、彼らが安らかに過ごせる時間が多くあるといいな、と願ってやみません。
終わりに。
記事冒頭に置いてあったのは入院中に描いたイラストです。アムロにそれぞれ触れている手はブライトさんとカイのイメージでした。
なぜかザビ家を許してなくて笑ってしまった。思ったよりシャアに持ってかれたのかもしれません。
出会った時期や退院後の今も仲良くしてくれている艦長のことを思うと、かなり思い入れの深い一作になったなあという感慨深い作品です。
時間があればもっと相関図とかハッキリさせるためにも二週目見たいですね。
あとは哀戦士とかね。
スレッガーが井上真樹夫さんになられていると聞いて、ルパン三世のオタクは気が気じゃございませんよ。
